日本、ウクライナ支援のためITCとのパートナーシップを強化

    (アブダビ発)日本政府は、世界貿易機関第13回閣僚会議において、国際貿易センター(ITC)がウクライナで実施するプロジェクトへの拠出に関する文書に署名しました。

    戦争が勃発してから2年が経ち、ウクライナの社会と経済は長期的な課題に直面していますが、復興の強い兆しも示しています。ウクライナ企業の70%が少なくとも部分的に紛争の影響を受けていると推定されていますが、ほとんどの企業は業務を継続しています。実際、ウクライナ東部や南部の企業の一部は同国西部や中部に移転しました。

    国内市場の急激な縮小を受け、ウクライナ企業は輸出を通じた海外市場への依存を高めています。また、ウクライナのほとんどの産業が縮小している中、情報技術(IT)セクターでは改善の兆候が見られます。過去1年間で、同分野の技術者の数は6%増加し、5人に1人が女性の技術専門家となっています。

    デジタルスキルの開発

    日本政府との協力により、ITCは戦争の影響を受け避難を強いられた人々を支援する新しいプロジェクトを立ち上げます。特に、このプロジェクトは、様々な分野の中小企業が電子商取引を通じて輸出すること、また女性を含む避難民のITスキルを向上させ、新たな仕事と収入源を確保することに注力します。また、ウクライナ国内のビジネス支援団体の能力を強化し、輸出に取り組む中小企業に適したサービスを提供できるようにすることで、同国のビジネス環境全体を改善します。

    2023年、ITCは戦争で影響を受けたウクライナのコミュニティを支援する最初のプロジェクトを開始しました。同プロジェクトも日本政府の拠出を受けたもので、困難な状況に置かれたウクライナの企業や労働者のレジリエンスと適応力を強化しました。これまで、300人以上の国内避難民がデジタル分野でリモートワークの機会を獲得しホストコミュニティへと統合されるのを支援し、また200社以上の中小企業が電子商取引に参加するのを支援しました。

    ITCのパメラ・コーク=ハミルトン事務局長は、「中小企業は、脆弱な状況下で安定を生み出す上で重要な役割を果たし、人々が必要とする仕事、商品、サービスの多くを提供している。日本の拠出を受け、ウクライナの中小企業や避難民のデジタルスキルをさらに強化し、この困難な状況にあっても事業を継続していけるよう支援していきたい」と述べています。

    日本の辻清人外務副大臣は、「本件拠出は、ウクライナの経済復興と女性・平和・安全保障(WPS)への日本のコミットメントを示している」と述べています。

    上記プロジェクトの他、日本は女性の経済的エンパワメントを支援するSheTradesイニシアティブや、スリランカの対日輸出を支援するプロジェクトに資金を提供しています。